電動車椅子で買い物へ

退院後の試練

5月27日164日目:夜中、お腹が痛いなと思ってトイレに行くと、リハビリパンツにかなりの量柔らかい便が出ていた。出るのを気づかないのが厄介だ。トイレには2リットルのペットボトルを置いている。それも2本。なぜならいつ何時こんな状態になるか分からないからだ。当然冷たい水で洗わなくてはならない。女性の場合は入り込むところが多いだけに、きちんと洗っておかないと衛生的に問題が生じるかもしれない。

水はペットボトルの半分以上なくなった。寝ている時なので当然腰の部分まで汚れているはず、お尻拭きは2種類使う。流せるお尻拭きだけでなく、しっかり厚みのあるもので最後にきれいにしないと安心できない。スウェットは少しだけの汚れで済んだので、汚れた部分だけつまみ洗いをして、洗濯機にかけておいた。

これで大丈夫とベットに入ったが、また3時頃かすかな臭いで目が覚める。トイレに急ぐが間に合わず、スウェットも下着も全部だめになった。帰ったとたんビールやシャンパンなど口にしたからに違いない。自分の身体の調子を見ながらやっていくしかない。

少しずつ飲食と排泄のパターンを覚えるしかない。失敗しないように気を付けながらやっていこう。コーヒーとワインが特に影響があるようだ。

今日は夫と一緒にユニクロと無印良品に行った。初めて電動車椅子で少し遠出をした。徒歩なら7分の駅ビルだ。電動車椅子の最高速度は時速4.5㎞、人の歩く速さとほぼ同じというが、やっぱりついて行くと、遅れがちになる。段差があったり、少しだが傾斜があったり、確かめながら前へ進む。通路の狭いところや人の多いところを避けながら買い物をした。

ユニクロでは下着と靴下とスウェットを、無印ではトイレの道具箱を買った。上に物が置けるフタ付きのケースでちょうどいいのがあった。ゴミ箱のようだが、シンプルで良いと思った。夫の枕も買ったので、レジは彼に任せることにした。

初めて訪問リハビリのOさんが来てくれた。まずは現状の聞き取りと何ができるかを目で見て確かめる。60分、週に2回は少ないが、動かさないと体が硬くなるので、筋肉を伸ばしてもらうのが痛気持ちいい。

シャワーを使うのに車椅子から降りて、シャワーを手に取るまで10分程かかる。シャワー時間は15分、身体を拭いて着替え、車椅子に戻り髪を乾かすまで全部で50分くらいだろうか。前回より手際は良くなった。

お尻が痛くて2時間ほど昼寝をするが、痛みは取れない。
刺し終わった刺し子にアイロンをかけた。早くコースターにしないとお礼ができない。
リハビリテーション病院と長野の病院に送ろう。先にラインだけでもしておこう。

 

悲しかった

5月30日自宅へ帰って6日目:昨日夕方食後はゆっくりしたいだろうと、洗いやすいように片付けたつもりが、自分の考えている手順と違ったのだろう「もういいから、そこに置いといて!」と言われた瞬間、強いショックを受けてしまった。胸の奥底から今まで閉じ込めていた涙があふれてきたようだった。

入院中夫がすっかり主夫になって、自分の段取りで進めることができるようになったんだなと、気持ちを切り替え、笑顔になることにした。

今日は朝から断捨離をしていたら、私がミシンを買いたいと言っていたのを思い出したのだろう、午前中に行こうと言い出した。家電はいつも同じところで買っている。
快速で川を挟んだ一駅の川崎へ行くことになる。電車に乗り降りする度に駅員さんにお世話になる。良い経験だった。複雑なものを作るつもりはないので、3万円のにした。

驚くべきことの退院してからリハビリでやっていたようなストレッチもあまりできていないのに、体調は良くなってきている。一週間になるが、新しく用意しておいた防水シーツは暑いので取ることにした。

今日はしっかり自力便と尿意を感じトイレに行くと自発尿が少し出た。排泄は少しずつもとに戻るのだろうか?

衣替えをしながら服の断捨離をした。まだ1/3位だけど袋いっぱいになった。靴は10足捨てたが、初めてオーダーで作った靴もきっと履ける日は来ない。それでも気に入った靴はまだ10足以上残すことにした。少しずつ古い自分を捨てていく。未練も捨てる?

 

美容室へ

喜んだのもつかの間、また夜中リハビリパンツに下痢をしてしまった。午前2時半、気づいて良かった!防水シーツを外したばかりの夜、汚さずに済んでホッとした。

午前中にシャワーを浴びて、午後に初めて美容院に行く。といっても一つアパートを挟んだビルの一階なので、マンションの裏口から立体駐車場の前を抜けて歩道に出て10m合計30mしか外へ出ない。車椅子で行くことは予約の時点で言ってあったが、実際に見たら、どんな顔をするだろう。

美容院の入り口はマットが敷いてあり少しだけおうとつがあるが、フロアー迄バリアフリーで助かる。奥から二つ目の鏡の前を開けてくれて、車椅子で乗り付けた。
担当のスタイリストさんは店長だと思うが、おしゃべりの方ではないので、あまり余計なことは言わない。私も経緯を簡単に話して、終わりにした。

中途半端にグレーになった髪をカットしてもらったが、全体がクレーになるまでは、見た目が違和感のないようにカットを進めて、全体がグレーに変わったら、髪型を考えようという話になった。

朝からの流れのまま、一日中下痢をしていて、お腹がジグジグしている。訪問リハビリも受けたが、一日中リハパンを付けていて正解だった。
夜は外したばかりの
防水シーツをまたしてもらった。

海外旅行への期待

夜中まで下痢が続き苦しかった。処理にも時間がかかった。
翌朝には止まってほっとしたが、今日も油断はできない。

昨日からフリマアプリで不用品を売り始めた。特にお金が欲しいからではなく、身体を動かし、断捨離することで、気持ちを切り替え、売ることで考えたり梱包して発送する動作が自分の為になると思ったからだ。退院してすぐに捨ててしまったものも、面倒でなければ、こんなことをしながら、時間を過ごすのもいい考えだと思う。早速ブランドのストレッチパンツが売れた。楽しいという気持ちになれるのは嬉しい。

ニューヨークの従妹からビデオ電話があった。ボストンの大学院にいる息子も帰ってきていて全員と話せた。マサチューセッツ工科大学でロボット工学を勉強しているので、私の為に役に立つロボットを作ってねと、話は盛り上がった。日本では売っていないトヨタの立つ車椅子の動画を送ってくれた。

アメリカは車椅子で行けない所はほぼないという。人権保護団体が問題にするので、整備されているらしい。私が行こうと思っていて行けなかったナイアガラに行きたいというと、滝ノ下をくぐるボートにも車椅子で乗れると教えてくれた。来年には行けるといいが。

娘達家族ともビデオ電話ではなせて、婿にも髪型は好評だった。
のんびりゆっくり少しずつ片付けていくうちに月日が経つ、それでいい。
ブログを書くことが社会と関わる手段になっている。誰かが呼んでくれることで、文章をまとめ、読みやすくし、見合った写真を選ぶ。少しは頭を使うので良いと思う。

夫は見事に主夫になり、全てをこなしている。ありがとうと一日何度言っても、それしか今はできない。

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