関連医療用語集

学術記事・Wikipedia・病院情報を引用させて頂いております。

【記載内容】

・促通反復療法(川平法)・脳出血・前脊髄動脈症候群

・ボツリヌス療法 ・脊髄動静脈奇形 ・アキレス腱延長手術 ・大動脈解離

動脈硬化 ・不随意運動 ・脊椎症性脊髄症 ・ヘルニア ・アテローム

脊髄空洞症 ・自己免疫疾患 ・神経因性膀胱  ・横断性脊髄炎 ・発汗異常

・むくみ(浮腫) ・硬膜動静脈瘻(こうまくどうじょうにゃくろう) ・脊髄腫瘍

・アロディニア ・求心路遮断性疼痛(神経障害性疼痛) ・高圧酸素療法

・腰椎狭窄症 ・筋痛性脳脊髄炎 ・慢性疲労症候群 ・ヒートショック

・膠原病(こうげんびょう) ・急性散在性脳脊髄炎(ADEM) ・脳卒中

・もやもや病 ・ITBバクロフェン治療 ・陰部神経障害   ・尿路感染症

促通反復療法(川平法)

これまで、脳血管障害(脳梗塞や脳出血など)によって破壊された脳の神経細胞は再生しないため、麻痺は回復しないとされてきました。しかし、医学研究の進歩で脳の可塑性(損傷した脳の神経細胞以外の部分が損傷部分を補う能力)が明らかになってきました。 促通反復療法(川平法)とは、手や足に刺激を与えることで脳の損傷した部分の代役を果たす神経回路の再建、強化をおこない機能回復を促進する新たなリハビリ法です。鹿児島大学霧島リハビリテーションセンター長の川平和美教授により提唱されました。

促通反復療法(川平法)では患者の麻痺した手足にそれぞれ決まったパターンの運動を繰り返しおこない、その運動に必要な神経回路に刺激を与えます。 実施するには専門の療法士が必要ですが。 発症直後の人、維持期の人もおり、現在注目されている治療法のひとつです。

前脊髄動脈症候群

脊髄動脈症候群は、脊髄動脈の支配領域である脊髄腹側約2/3の領域に血流障害が生じ、急速に発現する対麻痺ないし四肢麻痺、病変レベル以下での解離性感覚障害(温痛覚のみが障害され、触覚、振動覚、位置覚は保たれる)、膀胱直腸障害などを特徴とする。

脳出血

「脳卒中」の症状のひとつです。 脳に張り巡らされた血管に障害が起こる病気で、多くの場合は激しい頭痛を伴い、半身の麻痺などが起こります。 脳出血の直接の原因は、文字通り「出血」です。 脳の血管が破れて血液があふれ出し、固まって「血腫」となって周囲を圧迫し、脳細胞を破壊してさまざまな症状を引き起こします。

脳出血・脳梗塞後の後遺症は、脳の血管が詰まることで血液が行きわたらず、その結果、脳組織に損傷をきたし片麻痺などの運動マヒ(運動障害)や構音障害、嚥下障害などの機能障害が起こります。 成人病の中でも発生率が高く、寝たきりになる原因の1位に挙げられています。

※右脳出血を発症されたお仲間は左手左脚の麻痺と排泄障害の後遺症があるようです。

大動脈解離(解離性大動脈瘤)

大動脈解離とは大動脈を構成する内膜、中膜、外膜の三層構造の内膜の亀裂から中膜に血液が入り込む病気です。症状としては中膜に血液が入り込む際に激痛を伴い、入り込んだ血液が移動することによって痛みの移動が起こります。 また解離した血管が主要臓器の分枝を閉塞させることにより臓器虚血を起こすこともあります。動脈解離を起こした血管は壁が薄くなり急性期には破裂、慢性期には動脈瘤を形成することがあります。

大動脈は内膜、中膜、外膜の3層に分かれています。中膜がなんらかの原因で裂けて、もともとは大動脈の壁であった部分に血液が流れ込むことで大動脈内に二つの通り道ができる状態が大動脈解離です

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大動脈とは心臓から全身へと血液を送る血管のことで、心臓から出て首まで上に向かう“上行大動脈”と首からお腹まで下に向かう“下行大動脈”に分かれます。大動脈解離は、心臓に近い上行大動脈が裂ける“スタンフォードA型”と、心臓から少し離れている下行大動脈が裂ける“スタンフォードB型”に分けられます。
 
大動脈解離の主な原因は高血圧です。そのほか、マルファン症候群などの生まれつきの病気や、事故などで胸を強く打ち付けることなどによっても発症することがあります。

アキレス腱延長手術

四肢脊柱の運動機能を妨げている変形を矯正し、その子が本来持っている能力を最大限に発揮できる身体的条件を整えてリハビリが効果的に行えるようにするための手術。

身体の変形を残したまま訓練を続けても効果はあまり期待できません。
正しい歩行にとって必要な筋肉を発達させる。

脊髄性麻痺により内反足や痙縮の症状が出ていて、転びやすかったりする場合に行うもの。

脊髄動静脈奇形

脳と同じように脊髄にも動脈と静脈の異常なつながりが生じることがあります。異常なつながり(シャント)がどこにあるかにより、脊髄硬膜動静脈瘻、脊髄辺縁部動静脈瘻、脊髄髄内動静脈奇形の3タイプに分類されます。

脊髄の血流循環障害や静脈瘤による圧迫症状により、ゆっくり進行する手足のしびれや麻痺、排尿排便障害が起こります。中にはクモ膜下出血、脊髄髄内出血により突然症状を起こす場合もあります。

治療は異常なつながりを解除するため、直達手術や血管内手術が行われます。

脊髄動静脈奇形

医学教科書から引用 Spetzler RF. J Neurosurg. 2002

脊髄動静脈奇形とは、背骨の中の神経の血管にできる病気の一つです。動脈と静脈との間が異常につながっている病気で、異常なつながりのことを動静脈奇形(どうじょうみゃくきけい)、または、動静脈ろうと呼びます。発生部位により、おもに4種類に分けられます。
一番多いのは、硬膜動静脈ろうです。

原因は、はっきり分かっていませんが、若くして発症する先天的なタイプと高齢になってから発症する後天的なタイプがあることが知られています。
脊髄動静脈奇形はまれな病気です。手術治療が必要な患者さんは、400,000人に1人くらいの割合で、日本全国で年間300件程度の手術が行われています。この分野の手術は、骨よりも小さい神経を取り扱うため、整形外科ではほとんど行われておらず、脳神経外科が得意な分野です。

脊椎症性脊髄症

頚椎症性脊髄症とは頚椎部で脊髄が圧迫される疾患です。 上肢痛(肩や上腕、前腕、手指など)やしびれが出現します。 握力が低下したり、手を使った細かい仕事が不自由になってきます。 箸での食事が難しくなったり、ボタンをとめるのが困難になることもあります。

加齢変化による頚椎症(椎間板の膨隆・骨のとげの形成)の変化によって、頚椎の脊柱管(骨の孔)の中にある脊髄が圧迫されて症状が出ます。

日本人は脊柱管の大きさが欧米人に比較して小さく、「脊髄症」の症状が生じやすくなっています。

ボツリヌス療法

神奈川県内で脳卒中を患われている患者数は約10万人。そのうち痙縮のある方が約4万人。
その中で治療するに至らない人が2万7千人、治療が必要な方は1万3千人。
そのうちボツリヌス療法を施行されたのはわずか3,000人で、残りの8割にあたる約1万人の方は、現在も日常生活に大きな支障をきたしたまま過ごされているものと推測されます。

ボツリヌス療法とは、ボツリヌス菌が作り出すボツリヌストキシンと呼ばれるたんぱく質を有効成分とする薬を筋肉内に注射し、痙縮の改善を図る治療法です。ボツリヌストキシンを筋肉内へ注射すると、筋肉の緊張をやわらげ、痙縮を改善することができます。

ボツリヌス菌そのものを注射するわけではないので、ボツリヌス菌に感染する危険性はありません

図:ボツリヌストキシンを筋肉内へ注射

現在、その他にも保険適応となっている病気は脳卒中による眼瞼けいれん、片側顔面けいれん、痙性斜頸があります。これらの症状に対して、内服薬による治療が困難な場合にボツリヌス療法が必要か判断されます。

<期待できる効果>
 手足の筋肉がやわらかくなり、曲げ伸ばしがしやすくなることで、日常生活動作の制限   が軽減されます。(手を洗いやすくなる、装具がつけやすくなる、くつが履きやすくなる、など)

  • リハビリテーション(ストレッチ含む)を行いやすくなります。
  • 関節が固まって動きにくくなったり、変形するのを防ぎます(拘縮予防)。
  • 痛みをやわらげる効果が期待できます。
  • 介助の負担を軽減することが期待できます。(着替えの補助、衛生ケアがしやすいなど)

尿路感染症

尿路感染症はおしっこの出口(尿道口)から細菌が膀胱内に進入することで生じます。 したがって男の子に比べて尿道の短い女の子に尿路感染は起きやすいと言えます。 ただし2才までは男女の頻度に大きな差がありません。 膀胱の中で感染がとどまっているものは膀胱炎と呼ばれ、細菌が膀胱からさらに腎臓まで進入すると腎盂腎炎を起こします。

尿路感染症は、そのほぼすべてが細菌によるものですが、ウイルス、真菌または寄生虫が原因になる場合もあります。 尿路感染症の85%以上は、腸または腟から移動してきた細菌によって引き起こされます。 ただし細菌が尿路に侵入したとしても、排尿時に勢いよく流れ出る尿によって細菌も洗い流されるのが通常です。

通常1~2日間で症状は良くなり、3~5日間の治療で治癒します。 なお、症状が軽症であれば、水分を多く取り尿量を増やすことで自然に治ることもあります。 再発を予防するという意味でも、日頃から水分をよく摂取して、尿をたくさん出すことを心がけ、尿をなるべくがまんしないようにすることにも努めてください。

動脈硬化

動脈(心臓から送り出される血液を全身に運ぶ血管が硬くなって弾力性が失われた状態。
内腔にプラークがついたり血栓が生じたりして血管が詰まりやすくなる。 

加齢や高血圧が原因で起こり、進行すると血管が破裂して脳出血に至る恐れがあります。 その他、動脈の中膜にカルシウムがたまって硬くなる中膜硬化(メンケルベルグ型硬化)があります。 動脈硬化は、喫煙・コレステロール・高血圧・肥満・運動不足などの危険因子が重なることによって発症しやすくなります。

血管が硬くなって柔軟性が失われている状態です。硬く柔軟性がないということは、血液が送り出される圧力によるダメージを受けやすくなります。動脈硬化は中高年になってから起こるものだと誤解されている人も多いと思いますが、10歳前後から徐々に進行し30歳ごろになると完成された動脈硬化が現れるようになります。

動脈硬化は自覚症状なく進行して、ある日突然、心筋梗塞や脳卒中などを起こすリスクが高くなってしまいます。高血圧、脂質異常、糖尿病などの生活習慣病によって動脈硬化は進みます。血管の仕組みや働き、動脈硬化の発症や進行の原因などを知ることで、動脈硬化の予防や進行防止に役立てましょう。

アテローム

アテローム(粉瘤・ふんりゅう、アテローマとも呼ばれます)とは、皮膚の下に袋状の構造物(嚢腫)ができ、本来皮膚から剥げ落ちるはずの垢(角質)と皮膚の脂(皮脂)が、剥げ落ちずに袋の中にたまってしまってできた腫瘍の総称です。

アテローム血栓性脳梗塞は、内の太い血管、中大脳動脈、内頸動脈、椎骨動脈、底動脈等にアテローム変化が起こりやすいために生じます。 アテローム変化を生じた血管に血栓が形成され、血管が細くなって血流が悪くなり、その部位で閉塞してしまいます。 また血栓がはがれて発症の血管が詰まることもあります。

ヘルニア

ヘルニアとは、体内のある臓器が本来あるべき位置から脱出してしまった状態を指します。

有名なところでは、臍ヘルニア〈でべそ〉、鼠径ヘルニア〈脱腸)があります。 これが背骨のクッションである椎間板におこったものを椎間板ヘルニアと呼びます。 椎間板の中に存在する髄核というゲル状の組織が、外に飛び出してしまった状態です。

ヘルニア(腰椎椎間板ヘルニア)では、主にお尻や足の痛み・しびれ、動かしにくい、力が入りにくいという症状が出ます。 痛みやしびれは下半身のどこにでも出る可能性がありますが、特にお尻から太ももの裏側の痛みは坐骨神経痛と呼ばれ、ヘルニアの代表的な症状です。

痛みが強い時には安静を心がけ、コルセットを付けたりします。また、消炎鎮痛剤を服用したり、坐薬や神経ブロック注射を行い痛みを和らげます。腰を温めるのも良いでしょう。
痛みが軽くなれば牽引や運動療法を行うこともあります。
これらの方法で良くならない場合や下肢の脱力、排尿障害がある時は手術を勧められることもあります。最近では内視鏡を使った低侵襲手術も広く行われるようになったようです。

不随意運動

自分の意思とは関係なく、体が勝手に動いてしまう現象を意味します。体の一部だけ(手のふるえや、顔のピクツキ、足のむずむずする感じ等)の軽微なものから、全身に及ぶ重度なものまで含まれます。

運動をコントロールする神経経路の本幹を「錐体路」と呼びますが、それを補完する神経経路の代表として「錐体外路」があります。 不随意運動はこの錐体外路の異常で起こるのが原則です。 脳の病気である、脳梗塞や脳出血の後遺症、パーキンソン病などの神経変性疾患、脳性麻痺などの症状としてみられます。

 

陰部神経障害

陰部神経は第1~4仙骨神経から分かれて仙結節靱帯の近くを走行しAlcock管の中を通り会陰部の皮下や骨盤底筋・括約筋に分布して肛門部~会陰部の知覚(痛みや触覚など)を支配します。
坐骨結節(おしりの近くに触れる骨)よりも内側の臀部の痛み、会陰部痛、外陰部痛、肛門部痛などです。痛みだけでなく異常感覚ピリピリ痺れたり、麻痺した感じがしたり)も生じます。特に坐位や立位で症状が強くなり、横になると緩和される事が多いようです。

 

発汗異常

 

汗をかくこと(発汗)は体温調節の重要な機能です。この発汗をコントロールしているのが自律神経系交感神経です。体温調節に関与する中枢は視床下部(大脳の正中底部にある自律神経の中枢)にあります。
そこの神経細胞からの神経線維は脳幹・脊髄交感神経節(脊椎両外側にあり交感神経細胞の集まっている器官)を経由して、全身の皮膚の汗腺(汗を出す終末器官)・血管に分布しています。
体温が上昇すると、まず視床下部がこれを感知し、これらの神経系を介して。、汗腺から汗を出し、また血管を拡張させて熱を放出します。

横断性脊髄炎

急性横断性脊髄炎は、脊髄の幅全体に(横断性に)炎症が起こり、脊髄を行き来する神経信号が遮断される病気です。 この病気は、多発性硬化症、視神経脊髄炎、ライム病、全身性エリテマトーデスなどの特定の病気の人、または特定の薬剤を使用している人に起こります。 突然背中に痛みが生じ、患部を帯状に締めつけられるような感じがします。

横断性脊髄炎の症状は、突然背中に痛みが走り、病気の部位の周辺でこわばりを感じます。数時間から数週間にわたって脊髄機能の損失があります。腹部の痛みや、足の異常な感覚などが突然発症しはじめ、そして急速に麻痺や閉尿、排便制御などの重度な状態へと進行していく場合もあります。これは脊髄下部から必要とされる足の動きや排便、排尿に障害を与える脱髄になってしまうことで生じます。

原因は不明ですが、ウィルス感染症、血流の不足、特異免疫反応によるものだと言われています。治療法はまだ完全にはありませんが、回復することもあれば、回復せず車椅子が必要となることもあります。

 

ITBバクロフェン治療

バクロフェン髄注療法とは、バクロフェン(商品名:ギャバロン髄注)というお薬を作用部位である脊髄の周囲へ直接投与することにより、痙縮(けいしゅく)をやわらげる治療です。
この治療では、患者の状態に応じてお薬の量を増減することにより、痙縮をコントロールすることができます。痙縮をやわらげることで、日常生活の活動の幅を広げたり、生活を豊かにすることを目的としています。

 

(バクロフェンには内服薬もありますが、薬の作用部位(脊髄)へ移行しづらいため症状の重い患者様に対しては効果が十分ではありませんでした。そのため、薬の作用部位(脊髄)へ直接投与する治療法として「バクロフェン髄注療法」が開発されました。) バクロフェン髄注療法:ITB 療法(intrathecal baclofen therapy)

神経因性膀胱

神経因性膀胱とは、尿を溜めたり、出したりする神経がうまく作動していない状態を示します。 いまだに排尿のメカニズムは解明されていないことも多く、原因のわからない排尿障害を総称して神経因性膀胱と呼んでいる場合もあります。

脳・脊髄の中枢神経、あるいは脊髄から膀胱に至るまでの末梢神経の様々な病気により、膀胱や尿道の働きが障害され、排尿障害をきたす病気の総称です。神経因性膀胱を起こす可能性のある病気は、脳血管障害(脳卒中)、アルツハイマー病、パーキンソン病、多発性硬化症、小脳変性症、脊髄髄膜瘤(二分脊椎症)、脊髄係留症候群、椎間板ヘルニア、脊椎管狭窄症、直腸癌・子宮癌手術による膀胱への末梢神経障害など、またそれ以外にも多くの病気があり、多岐にわたります。

神経因性膀胱の症状は、原因となる神経疾患の部位によって異なります。一般的には、脊髄の仙髄にある第2の排尿中枢より上位の神経、すなわち脊髄(腰髄・胸髄・頸髄)や脳の病気の場合には、排尿の反射の抑制が効かなくなり、排尿反射が過敏になって膀胱が勝手に収縮してしまう状態になります。そのため、頻尿、尿意切迫感(急にがまんできないような尿意が起こる)、トイレまで間に合わずに尿が漏れるなどの症状が出現します。逆に、仙髄にある第2の排尿中枢より下位の神経、すなわち仙髄より末梢の神経の病気の場合には、排尿反射がうまく起こらなくなり、膀胱の収縮が障害されて、排尿困難(排尿の勢いがない、排尿時にりきむ、尿線が細い、残尿が残るなど)の症状が出現します。

 

自己免疫疾患

自己免疫疾患とは免疫系が正常に機能しなくなり、体が自分の組織を攻撃してしまう病気です。 自己免疫疾患の原因は不明です。 症状は、自己免疫疾患の種類および体の中で攻撃を受ける部位によって異なります。 自己免疫疾患を調べるために、しばしばいくつかの血液検査が行われます。

自己免疫疾患に分類される病気は数多くあり、そのなかには「難病」に指定されているものもあります。自己免疫疾患に対する決定的な予防法や治療薬はありませんが、「免疫抑制療法」によって症状をコントロールする治療が行なわれています。

自己免疫とは、生物が自身の健康な細胞、組織、およびその他の体の正常な構成要素に対して免疫応答を起こすシステムである。このような異常な免疫応答に起因する疾患は「自己免疫疾患」と呼ばれる。

 

脊髄空洞症(指定難病117)

脳や脊髄は液体の中に浮かんで、外部からの衝撃から守られています。この液体を脳脊髄液といいます。脊髄空洞症では、脊髄の中にこの脳脊髄液がたまった大きな空洞ができて脊髄を内側から圧迫するため、いろいろな神経症状や全身症状をきたす病気です。<推定患者数は2,500人前後>
男女差なく20歳から30歳代の発症が多いのですが、あらゆる年齢層にみられます。学童期の検診では側弯症をきっかけに、空洞症が早期診断される場合があります。

・感覚障害もしくは脱力で発病・重苦しい、痛み、不快なしびれ感・温痛覚障害
・しびれ、筋肉のやせ、手足の脱力、つっぱり

むくみ(浮腫)

浮腫とは、皮下組織(皮膚の下部)に水がたまった状態で、例えば足やすねなどを指で 圧迫する(押さえる)と、その痕(あと)がなかなかもどらないような状態の時は、身体 に正常な時の体重の5~10%以上の水分の貯留があると言われています。
浮腫とは組織間に浸出液が異常に増加・貯留した状態のことです。私達の血管は毛細血管を通じて細胞へ水分の供給を行っています。それと同時に、細胞内で不要になった水分の90%を静脈、10%をリンパ管に戻し、体内で水分を循環させているとされています。しかし、それらが何らかの原因で血管外に漏れたり滲出したりした結果、浮腫(むくみ)が起こります。これは健康な人でも実は頻繁に起こっており、特別珍しいことではありません。しかし、それも程度の問題です。あまりに多いと何か問題がある可能性もあります。
治療法は浮腫の原因となっている病気の治療が主体となります。浮腫そのものの治療としては、利尿剤を使って体にたまった過剰な水分を排出する方法などがあります。期間は症状や病気によって、短期間のみの場合もあれば長期間続ける必要がある場合もあり、さまざまです。腎臓や肝臓が原因で血液中のタンパク質が少なくなっている場合は、それに対する治療を中心的に行っていきます。薬剤が原因の場合は薬の変更を行います。また自宅で運動やリハビリテーション、マッサージ、ストレッチなどを取り入れてむくみを生じにくくしたり、姿勢や生活習慣を改善したりすることも有効です。弾性包帯や医療用圧迫ストッキングを使用した圧迫療法は最も簡便かつ効果が期待できる治療として有用です。

硬膜動静脈瘻(こうまくどうじょうみゃくろう)

硬膜の動脈と静脈が、毛細血管を介さずに直接つながってしまった状態(瘻(ろう)もしくはシャントと言います)を、硬膜動静脈瘻(こうまくどうじょうみゃくろう、dAVF)といいます。 圧が高い血流が動脈から静脈へ直接流れるために、静脈の圧が上がってしまい、脳へ血液が逆流してしまいます。
脳を覆っているいろいろな膜のうち、骨の真下にあるものを硬膜と呼びます。硬膜にある動脈と静脈は、通常は毛細血管を介してつながっていますが、硬膜動静脈瘻は、動脈と静脈がトンネルのように開いた穴(瘻)によって直接つながってしまった病気です。そのため、高い圧の血流が動脈から静脈に流れ込み、静脈圧が上がって血が滞流あるいは逆流し、さまざまな症状を引き起こします。脳の腫れや脳内出血などを引き起こす原因にもなります。発症率は日本全体で年間300人程度といわれるまれな病気です。
硬膜の静脈には、脳と目から戻った血液が流れています。これらの部位の血液が滞ることにより、脳や目の症状が出現しますが、硬膜動静脈瘻の箇所によって症状に違いがあります。脳の症状では頭痛、痙攣、麻痺、耳鳴り、言語障害、認知症などが起こり、逆流がひどい場合は、脳出血やくも膜下出血などを引き起こし、意識障害や、場合によっては死に至ることもあります。目の血流が阻害されると、目の充血、目が飛び出す、物が二重に見える、視力が落ちるといった症状が現れます。

脊髄腫瘍

脊髄腫瘍は、脊髄や脊椎からできた腫瘍と、そのほかの臓器から転移したものがあります。腫瘍が脊髄を圧迫することで症状が発生する病気です。首、胸、腰のどの部分に腫瘍ができるかによって症状が異なります。例えば、頸髄に腫瘍ができると手足や体幹の感覚障害や麻痺が起こります。胸髄では、障害を受けている部位よりも下の胸やおなかの感覚障害、下肢運動機能障害が起こります。腰髄に腫瘍ができた場合、手に影響はなく足に影響が出ます。一般的に、初期では手足の感覚麻痺が起こったり、局所に痛みが出現することが多いです。
腫瘍による脊髄や馬尾神経の圧迫によって症状が出ます。 しびれ、感覚障害、筋力低下などが生じます。 このような麻痺は神経内科の疾患である脊髄炎や多発性硬化症などでも生じますので、鑑別が必要です。 一般に圧迫による脊髄症状は、知覚・運動が同時に障害され、圧迫部位より遠位の反射が亢進するのが一般的です。

アロディニアallodynia

通常疼痛をもたらさない微小刺激がすべて疼痛として、とても痛く認識される感覚以上のことである。異痛症ともいう。
通常では痛みを起こさない刺激(接触・経度の圧迫・温度・気圧変化)によって引き起こされる痛みのこと。

 

求心路遮断性疼痛(神経障害性疼痛)

抹消または中枢神経系の痛覚伝導路の障害により正常な求心路刺激が途絶することにより起こる疼痛症候群である。(抹消及び中枢神経系の過敏化の結果生じる痛み、神経による入力が立たれることによる)
神経系障害患者の数%にみられ、障害後数週間~数か月経過してから発症する。

衣類が肌にこすれるとか、ドライヤーの風、弱いシャワーにさえ痛みが走るとか
 

高圧酸素療法

通常の大気圧より高い気圧環境で酸素を吸入することにより、病態の改善を図ろうとする治療です。病気やケガで血管が狭くなり詰まってしまう事があります。
その先の血管の流れが悪くなり酸素が届きにくい状態が続くと、細胞が障害され機能が低下します。
ドームに入り、100%酸素で加圧していき、通常の呼吸で得られる酸素量に対して、役10倍にまで酸素を体内に取るこむことが可能になります。

 

腰椎狭窄症

最も特徴的な症状は歩行と休息を繰り返す間欠性跛行(かんけつせいはこう)です。
腰部脊柱管狭窄症では腰痛はあまり強くなく、安静にしている時には、ほとんど症状はありませんが、背筋を伸ばして立っていたり歩いたりすると、太ももや膝から下にしびれや痛みが出て歩きづらくなります。

筋痛性脳脊髄炎/慢性疲労症候群

強い全身倦怠感があり、微熱、リンパ節膨張、頭痛、筋力低下、睡眠障害、集中力低下等が、休養しても回復せず、少なくとも6ヶ月以上の長期にわたって続く疾患であり、生活が著しく損なわれます。様々な症状により、日常生活を送るのが困難になる、原因不明の病気です。

筋痛性脳脊髄炎 / 慢性疲労症候群(Myalgic Encephalomyelitis/Chronic Fatigue Syndrome, ME/CFS)は、これまで通常の日常生活をしていた人が突然、強烈な全身倦怠感に襲われるようになり、休息をとっても回復せず、通常の日常生活が著しく困難になる病気です。また微熱、頭痛、筋肉痛、脱力感、思考力低下、抑うつなどさまざまな症状があらわれることがあります。重症になると寝たきりや要介助になることがあります。

筋痛性脳脊髄炎・慢性疲労症候群(ME・CFS)は、世界保健機関(WHO)の国際疾病分類において神経系疾患と分類されている神経難病である。平成二十六年度には厚生労働省により実態調査が行われ、我が国の患者の約三割は寝たきりに近い重症患者であるという深刻な実態が明らかになったが、ME・CFSは指定難病や障害者総合支援法の対象になっていない。本疾患は医療関係者の間でさえ認知度が極めて低く、診療に当たる医師が非常に少ないため、診断すら受けられない患者があふれている。さらに、この疾患は十代から三十代で発症する患者が多く、重症度も高く就労困難なため、日本経済に与える損失ははかり知れない。

 

2021.4.15ご子息が発症された方からの情報ですと、(2022.4.15)一年経過した今も症状は変わっていないようです。日本にもあるようですが英国のME/CFSの会のメンバーになられたようです。

ヒートショック

気温の変化によって血圧が上下し、心臓や血管の疾患が起こる事をヒートショックといいます。この血圧の乱高下に伴って、脳内出血や大動脈解離、心筋梗塞、脳梗塞などの病気が起こります。2006年のデータですが、交通事故による志望者が約7000人であったのに対し、ヒートショックでは倍の14,000人が亡くなっています。

ヒートショックは冬場に暖房の効いたリビングから脱衣所に移動し、浴槽に入る時などに起こります。リビングから脱衣所に移動した際には、寒さに対応するために血圧が上昇します。そこで衣服を脱ぎ、浴室へ入るとさらに血圧は上昇します。
その後、浴槽に入ると、急に体が温まるため、血圧が下降します。特に10℃以上の温度差がある場所は危険とされており、注意が必要です。

 

膠原病(こうげんびょう)

膠原病とは、一つの病気の名前ではなく「感染症」や「腎臓病」と同じように、
いくつかの病気が集まったグループを表す言葉です。
皮膚や内臓の結合組織(色々な組織の間にある膠原線維などからなる部分)や血管に炎症・変形を起こし、様々な臓器に炎症を起こす病気の総称です。

共通する症状として、発熱、関節炎、全身倦怠感などの全身症状と皮膚症状、筋症状、各種の内臓症状があります。
膠原病には厳密な医学基準がありませんが、最近では治療法が構築され、改善に向かっている方が多くいるようです。

急性散在性脳脊髄炎(ADEM)

脳・脊髄の神経に炎症が起きて神経の被膜が傷つき、中心部分がむき出しになってしまう事で、様々な症状が出る病気です。
まれな病気で、日本の全国的調査(2004~2007)による罹患率(リカンリツ、病にかかる率)は人口10万人当たり0.8人です。

脳卒中

 脳卒中とは 脳の血管が破れるか詰まるかして、脳に血液が届かなくなり、脳の神経細胞が障害される病気です。 より早期(発症して4.5時間以内が目安です)に治療を開始すると後遺症が軽くなることがある、救急疾患です。

もやもや病

 もやもや病は脳の血管に生じる病気です。内頚動脈という太い脳血管の終末部が細くなり、脳の血液不足が起こりやすくなります。このため、一時的な手足の麻痺、言語障害を起こすことがしばしば見られます。血流不足を補うために拡張した脳内の血管、“もやもや血管”が脳底部に見られることが特徴です。

もやもや病で細くなる血管は“ウィリス動脈輪”という血管の環状交差点(ロータリーのようなもの)をつくっています。そのためウィリス動脈輪閉塞症とも呼ばれます。一方、脳細胞に血液を供給するため太い血管から枝分かれした細い血管が、太くなり不足した血液を補います。しかし、本来の太さ以上に拡張して多量の血液をおくるため切れやすく、頭蓋内に出血を起こすこともあります。現在のところはっきりした原因は解明されていません。

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