導尿チャレンジ

痛みを感じない脚

新型コロナ感染症が国内で広まり始めているというニュースは見ていたが、医師と看護師が感染したという病院は、私がここの転院を決める前に「一週間後に受け入れ可能」と連絡が来た病院だという。また看護師の話では入院していた病院でも感染者が出たらしい。となるとこの病院も可能性が出てくるので、身近になった。

あと二日で4人部屋に移る事になった。最終的な部屋になるが窓際ではないので、退院する人が出たら窓際に変えてもらおう。

昨夜パジャマに着替える前に足のマッサージをしていて気が付いたのだが、左より右の太ももがかなり腫れた感じがした。看護師さんに言うと左右3ヶ所に印をつけて測ってくれた。夜は4~5㎝差があったが朝は3㎝と少し腫れが引いていた。

考えてみると、ずいぶん前になるので結びつかなかったが身体を吊り下げて歩く訓練をする機会を使った時、ベルトが右足の付け根を挟んで痛かったのを思い出した。普通の身体だったら、もっと痛かったかもしれないが麻痺しているので鈍いのかもしれない。

U先生の回診の時に原因が分かって、看護師さんとPTさんが事故なのに報告しなかったことを叱られた。先生にとっても脊髄梗塞は珍しいようで導尿や排便についても、そして先日の鎖骨についても調べて下さって、気にかけて頂いているのが良くわかる。
ここに来てほんとに良かった。

今日は朝食後とリハビリ後の2回トイレで脱ぎ着したので、結構疲れた。
オムツではなくリハビリパンツに変えたが、脱ぐ時も履く時も片手で手すりを掴み、片手で引き上げるのでトレーニングパンツが便器と便座の間に挟まって大変だった。
移乗も車椅子に乗る方が難しい。

トイレトレーニングの後は、疲れて2回も短いお昼寝をした。夜も眠れそうだ。

自己導尿スタート

2月20日67日目:6時過ぎ身体が硬くて動かせず、ゆっくりゆっくり起きる準備に取り掛かる。着替えの時、少し臭ったのでリハビリパンツを取り換えてもらった。早く排泄コントロールができて、精神的にも楽になりたい。

昨日は4人部屋に引っ越した。新しい部屋はの自分用のスペースは2人部屋と変わらないが、前のベットの96歳のおばあちゃんが夜6~7回、つまり1時間に1回ナースコールを押す。慣れるしかない。

お昼すぎにバルーンを抜いた。11:30にトイレに行ってみるが、尿は出ず便が出た。どうなってしまったのか、力の入れ方を忘れてしまったのか?

お昼過ぎに担当看護師さんとトイレに行ってみたが出ず、導尿の指導をしてもらった。ほんとは自力で出るのが一番なのに・・・

14:30と16:30に自己導尿をやってみたが、場所が分かりにくくてこずった。これは慣れるしかない。夜だけやってもらうことにした。

3日続けて20:00に便の処理をしてもらっているので、近くなるまで待って一緒にトイレに行ってもらいチャレンジした。初めて成功した。でもリハビリパンツをあげるのが一苦労。力が尽きてしまうのかもしれない。もっと手の力を付けなくては。

人生の試練

導尿のチャレンジは3回目にして何となく位置が分かる気がしてきた。
しかし、排便の方はと言うと整腸剤で硬くなってしまったのかと思ったとたん、夜中1:40二人係でトイレで処理してもらう羽目に。いい迷惑になってしまった。

導尿の器具や沢山の道具を使って、だんだん現実の生活に近づいていく。この先20年以上、こういうことをやっていくのかと考えると、ため息が出る。
あまり深く考えないで、一日一日を積み上げていくしかない。きっといつか楽しい日々は戻ってくると信じよう。

午前中にPTさんとOTさんで家屋調査に行って来てくれた。玄関やトイレ、お風呂、寝室などのサイズを測って、これから私が生活していくのに必要な改装や道具などを提案してくれるためだという。その提案に沿って、次回私も一緒に行く時にケアマネージャーや業者さんも自宅マンションに集まるらしい。

夫が来てくれた時に、昨日娘と話した「6月~7月の航空券を去年と同じ時期にするか検討したい」と話していた内容を伝えた。すると即座に「今年は来ない方が良いんじゃない!」と否定されてしまった。

「私もそう思ったけど、孫達にも会いたいし、現実も見せた方が良いから」と言うと、「どこに行くにも大変だし全部自分に負担がかかるんだよ!」と強い口調に変わった。

昨夜の失態や疲れ、今までの前向きな気持ちから、これからの現実に向けての思いで苦しい山を越えようとしていただけに、涙が止まらなくなってしまった。

「そんな小さな事で愚痴ってるようなら、これから先の現実なんて乗り切れないよ」と言ったら帰ろうとした。呼び止めて「一緒に強く生きていく気がないなら言ってね」とハグしながら言うと「そんなつもりはないよ」と2回言って帰って行った。

自分のことで今いっぱいいっぱいなのに、彼の心のフォローまではできなかった。
離婚も考えるべきか?と真面目に考える。いや、これが人生の試練だと思いなおす。

スタッフとのコミュニケーション

ここ数日色々なチャレンジが続き、小さな成功を喜んだり旨く行かないことが続き自信を無くしたり、現実と今後のあるべき姿を思い不安になったり、今はまだ身体の回復も精神の立て直しも途中なのだと思う。

支えはあった方がいいに決まっているが、実のところ闘うのは自分であり、心の強さを誰かが変わってくれる訳でもない。発症から昨日まで、明るく前向きに頑張ってきた心の糸が緩んでしまい、彼の「負担」の一言で一時涙が止まらなくなってしまった。

でもそこは私自身が乗り越えなければならない所だと思う。
So it is what it is , I'll try to compete as best as I can.
(状況は変わらないのだから、自分のできる限りの努力をするだけだ)

一昨日娘の帰国のことで夫と言い争いになりそうだったが、彼の考えは子供たちを迎え入れるには、あまりに生活の方法や方向が見えていない段階だということなのだろう。娘に電話したというので、本気度が分かって無理をしない方が良いと思えた。今回は彼の考えを尊重しよう。

PTさんとOTさんが家を見てきてくれたので、実践に向けての訓練を始めることになった。お風呂の入り方やトイレの移乗に必要な手すりの位置、キッチンに玄関、やることは沢山ある。

二人は23歳と24歳、私と40年以上のジェネレーションギャップがある。彼女たちが学んできた知識と、実際に生きてきた経験に基づく考えとは開きがあって当然だ。

せっかく頑張って作って来ただろう写真付き提案書は、5,6ページ程あり、きっとずいぶん時間がかかって作ったに違いないものだったが、私には現実的でないものもあり、数分で読み終えてしまった。

若い頃から新卒の大学生が入社してくると、教育する役職だったこともあり、年の開きで甘くすることも多かったが、伝えなければならない時には、しっかり伝えるというのが私の患者としてのスタンスだった。彼女たちはしっかり受け止め、慕ってくれた。

食事に行く時にいつも目についていたカッコいい車椅子に乗った女性と友達になった。40代で発症し下肢が動かないらしい。64歳一人暮らしとのこと、お互い毎日リハビリに追われているのでタイミングが合わず、ゆっくりお話しできないが、時間を作って、色々教えてもらうことにした。

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