脊髄損傷は1年に5千例といわれています。細かい内訳は「掲載内容」を参照下さい。
では脊髄梗塞はというと、脳梗塞の1/100と言われていますが、実際の患者数はネット上では調べることができません。
厚生労働省の2005年のデータによると脳内管障害患者数として脳内出血17万人・くも膜下出血4万5千人・脳梗塞105万2千人・その他13万人 計:約139.7万人です。
脳梗塞の1%なら1.05万人はいることになりますが、本当でしょうか?どちらにしても症例が少ないことは確かなようです。
<2022.9現在の推測として以下の記事から何となく納得できる数字が見つかりました。>
府中恵仁会病院監修:脳梗塞についての解説です。 我が国での脳血管障害の発症数は年間30万人程度と推定され、現在脳卒中で通院、入院されている患者さんは約250万人居ると厚生労働省の調査で発表されています。 さらに患者数は2020年には300万人以上にもなることが予想されています。
厚生労働省発表の「平成26年 患者調査の概況」によると、脳血管疾患の総患者数(継続的な治療を受けていると推測される患者数)は111万5,000人で、3年前の調査よりも約6万人減少しました。
2010年の国勢調査人口を基準人口として性および年齢調整を行ったところ、発症率は人口10万人あたり、脳卒中全体が166であることが判明した。病型別では脳梗塞が107、脳内出血が42、くも膜下出血が15となった。
滋賀県の発症率をもとに試算した結果、2011年に日本全国で約22万人が新規に脳卒中を発症、再発も含めると約29万人が発症したことが明らかになった。2011年の脳卒中死亡者数は全国で約12万人なので、その2.3倍の発症があるという。
脳卒中の約65%(107÷166=64.45)が脳梗塞
新規脳梗塞(22万人×64.45=14万1800人)×0.01=1418人←年間新規脊髄梗塞発症数
2022年日本の人口1億2580万人・・・10万人に11.2人
文献によっては脳卒中の1/100というものもあるので、その場合は2200人となります.。
またテレビ報道を見ると2000人~3000人と言っている医師もいますが、実際の数字は不明です。
少ないことだけは確かなようです。
【脳卒中の分類】
★くも膜下出血
★脳出血
★脳梗塞ーー・心原性脳塞栓症 ・アテローム血栓性脳梗塞 ・ラクナ梗塞 ・その他のの脳梗塞
【回答】1万人だとしても、1億数千万人の人口から考えると1/10000未満です。
知り合いにいなくても不思議のない数字ですよ。そもそも親しい人以外に自分の病名を触れ回る人はいません。画像診断の仕事をしていると、年に1~2人程遭遇します。
《放射線科・雪国の画像診断医》
【回答】5年以上の期間、脳卒中を診てきて、確かに脊髄梗塞に遭遇する機会は少なく、いまだに3件しか巡り合っておりません。背部痛、その後に急性発症した左右対称性の麻痺、といったように、典型的な病歴をたどってくれば分かりやすいですが、そうでない場合には、それぞれ存在を疑って脊髄MRIを撮影しない限り発見できません。
治療法も明確に確立していないくらい稀な疾患ですので、「画像ではっきりしない脳梗塞」や「アーチファクト(画像のノイズ)が多く脊髄の移乗信号が発見できない」「ご高齢なので精査は希望されなかった」などの解釈や理由で見過ごされている可能性は否定できません。
《脳神経内科・静岡のニューロさん(先生)》
【回答】ご質問拝見しました。ご心配のことと思います。
脊髄梗塞は実際の臨床の中で遭遇する機会は少ないです。年に1例あるかないかでしょう。
《脳神経外科・Brain先生》
神経内科に入院した急性期脊髄梗塞患者14例からの引用です
【年齢】22歳~74歳
【心血管疾患危険因子】高血圧6例・糖尿病5例・喫煙4例・心血管疾患の既往2例
※6例ではいずれの危険因子も認めなかった
【病変部位】頚髄3例・頚胸髄3例・胸髄5例・胸腰髄3例※前脊髄動脈症候群が11例
【初発症状】痛み8例・脱力4例・痺れ2例
※10例では24時間以内に症状がピークに達した
【治療】ステロイド6例・抗血小板薬5例・抗凝固薬10例
※7例ではこれらの治療を併用
【入院日数】中央値30日(7日~79日)
【予後】良好群は6例(58±19歳)男4・女2/不良群(57±20歳)男3・女5
※退院時に介護なしに歩行が可能だったのは6例
※感覚障害は全例で残存した
※排尿障害により導尿あるいは膀胱バルーンカテーテルが留置されていたのは9例
※女性の長軸方向に長い病変、横断性梗塞、脱力で発症した例では予後が悪い傾向がみられた
※運動障害、感覚障害は全例で、排尿障害は13例に認めた
脊髄梗塞は明確な診断基準がなく確定診断は困難である。いずれも明らかな原因が不明である