PONTAさんの場合(発症から現在まで)
<C6 脊髄梗塞・18歳・2020.10.11発症(16歳)・宮城県在住>

 

【発症する1週間前】

「腰が痛い!」と整形外科へ「分離症」と診断。大きな病院でMRIを撮るように勧められ、予約。発症前日に撮影は完了したものの、その日は担当医がおらず、後日結果を聞きに行く予定だった。

【発症した日】

早朝、首の後ろが痛いと気づくが、そのまま学校に行く支度をしていると手と足が動かなくなっていくのが分かり、救急車を呼び、大学病院に搬送される。
告げられた病名は「脊髄梗塞」
頚椎にできた血栓が原因で、手や足を動かす神経がダメになってしまったと説明を受けた。

5日後、一般病棟へ移り、その一週間後に脳神経内科の担当医が決まる。

【2週間後】MRIやCTの結果を踏まえ、診断内容説明

<診断>脊髄梗塞

<四肢麻痺の原因> 
首の高さで前脊髄動脈が詰まったことにより、前方2/3に梗塞が生じたと考えられる。

<症状>  
運動神経や痛み温度を伝える感覚神経が通っており、梗塞の部位より下側に麻痺や感覚障害が生じる。振動の感覚や関節の位置の感覚は保たれている。

<治療> 
血管内治療(詰まった血管を開通する治療)が可能かどうか、脳神経外科が血造営検査を行った ⇒治療可能な血管が見つからなかった。
②梗塞による壊死を和らげる薬を点滴で投与 ⇒手足の運動や感覚の改善はなかった。

<脊髄梗塞そのものの原因>
※各種検査を行ったが原因不明
※血液検査では『プロテインS』(血液を固まりにくくするたんぱく質)の値が通常より低いため、梗塞の原因の候補に挙がっている。
今後も梗塞を再発する可能性がある⇒血液が固まらないようにするためヘパリンを継続的に注射する⇒後に『プロテインS欠乏症』と診断。
血栓予防の為に『ワーファリン』(血をサラサラにする薬)を一生飲み続ける事になる。

 

入院中に両足のかかとと仙骨の辺りに褥瘡ができ、完治までに時間がかかった。
その他の以下の症状も併せて悩まされました。
【起立性低血圧】
ベッドから起き上がると具合が悪くなる。
リハビリが始まりベッドを起こすことが増え、急に血圧が下がる為。しばらく悩まされる。
【尿路感染症】
熱がずっと下がらなかった。
ずっと同じ管だったのが原因で抗生物質で治療。
【偽痛風】
肩がものすごく痛む。
血液の結晶化によるもので自然に治る。
【鼻づまり】
倒れてからずっと。
アレルギーのお薬を飲むも効果なし。
 
6ヶ月リハビリテーション病院で理学療法士と作業療法士の力に助けられリハビリに励みました。
 
《退院時の状況》
・3ヶ所の褥瘡⇒ほぼ完治
・自己導尿⇒物の準備さえしてあれば、自分でできる。
・ナイトバルーン⇒物の準備と少しお手伝いがあれば自分でできる。
・車の移乗⇒①補助椅子を付けた専用の車なら一人でできる。②ワゴン車は手伝いがあれば乗れる
・お風呂⇒イレクターを設置して一人で移乗して座れる。
・シャワー⇒専用のタオルを使って一人でできる。
・持ちやすいシャンプーやボディソープを用意すれば一人でできる。
・トイレ(排便時)⇒イレクターを設置して一人で移乗して便座に座れる。
ズボンと下着を下げるのは介助が必要。
・食事⇒自助具のカフを使って一人で食べれる。コップは取手無しでも両手で挟んで飲める。
・字を書く⇒自助具と手首のサポーターを使って字を書くことや消しゴムて消すことができる。
・歯を磨く⇒自助具を使って歯磨きができる。
・着替え⇒上の服は、複雑なものでなければ一人で着たり脱いだりできる。整えるのに介助が必要
下の服や下着、靴下は全介助
・ひげをそる⇒自助具を使って電気シェーバーでできる。
ここでPONTAさんの16歳で発症するまでの16年を振り返ると
負けず嫌いで諦めず最後まで頑張る、前向きで明るい彼
 
小学生では空手、サッカー、バスケットボールを習い、黒帯取得、トレセンやら選抜やら選ばれ、なんでも一生懸命頑張る彼を応援して追っかけすることが、パパやママも楽しくて仕方ありませんでした。
 
中学生では、バスケとボールに力を入れて、1つ下の弟とクラブチームで念願の全国大会に出場したり、その他駅伝に応援団、生徒会長迄こなしました。
 
バンドを組んでギターやベースも練習して、発表会では先生たちとセッションをして盛り上げたりもしていました。
なんでもやりたがり、人が嫌がることも自分の為でもあると進んで引き受けてきました。
先生や友達からの信頼もあり、リーダーシップがあり、スポーツマンで勉強もゲームも手を抜かない頑張り屋さん。まさに努力の人。
 
脊髄梗塞、四肢麻痺、障害者手帳1級になってしまいましたが、持ち前の前向きな精神で退院後とこれからの人生を強く生きていくことと思います。
 
・入院中に左脚の親指が動き始め、リハビリに励み痙縮を少しコントロールできるようになった。
・高校は1年留年になりましたが、1年生をやり遂げ、この春無事2年生になりました。
  

【1年8ヶ月後】

大学病院への通院をし導尿カテーテルと間欠式バルーンカテーテルをもらう
依然として膀胱直腸障害は残るものの、退院直後はたまに失禁がありストレスでしたが「ベオーバ」という薬を泌尿器科で処方してもらい、失禁を止めることに成功。

学校では、介助員さんが午前と午後で交代で居てくれます。
朝はトイレの準備をして導尿してから教室へ、あとは、授業が終わるまで介助員さんにお願いし、授業が終わると介助員さんと交代して、掃除やら部活をママが見守り帰宅します。

自助具「万能カフ」を使い、学校での食事時の介助なしで、1人でご飯を食べることができます。字も書くことができます。

テストを受ける時は、肢体不自由者枠で、通常の1.3倍の時間で受けますが、自助具を使い手首で描いたり消したりするので、肩も凝り大変です。

平日は学校、休日は部活と頑張っているのでOFFの日は出かけたがらないですが、博物館の特別展に興味があり出かけた時は、身体障碍者手帳を見せ、入場料と特別展が無料になりました。

学校での避難訓練は毎年の最大の課題ですが、今年も沢山の先生方が救出作戦を練って下さり無事解決しました。

お腹の調子が悪い時は、手が凄く冷たくなるという身体のサインが分かるようになりました。

自己導尿は1日に4回。就寝時はナイトバルーン使用

写真など詳しくはアベマブログをご覧ください。「yura:共に生きる」

【2023.1.25】

PONTAさんのお母様のブログに『最近のPONTAは起立の時間を10秒⇒30秒へ増やし定着してきました。』と書いてあるのを見つけ、「一人で起立できているのですか?一人で立てるなんて素晴らしいですね」とメッセージを送ったところ

『PONTAはまだ体幹が無いので私が脇に手をかけて、手前に身体を引っ張って、膝をロックして立たせています。ピンと立ってからはほとんど自分で立っています。この立っている時間が長くなってきました。』と返信を頂きました。

体幹も少しずつできてくると思います。私も体幹に苦労していますが頑張ろうと思えました。

 

【2023.3.7】お母様のブログより

今日は、リハビリ病院でリハビリをしてきました‍。
痙縮が少し強くて、鯖のようにピクピクしていました

四肢麻痺になって、運動量がかなり減ってしまったので、食べる量が少なくてもなかなか痩せないポンタ…とにかく車いすを漕ぐことが一番ですよと言われました‍。広い安全に車いすを漕げる公園などで、おもいっきり車いすを漕ぐといいと教えてもらいました。

ポンタは受験生、お勉強に支障があってはいけないと消極的でした。手が使えないので、肩近くの腕の筋力で自助具を使って字を書いたり、生活をしています。なので、腕が壊れてしまっては大変

とりあえずこの1年は受験に向けて、四肢麻痺になってから習得した技を使って頑張ってもらうことになりました。大学に行ったら、車いすをたくさん漕ぐそうです‍。

ポンタは、腕の肘から指先までが異常に細いんですが…そこの筋肉が全くなくなってしまったせいでした。足は歩けませんし操作不能ですが、太ももは筋肉が落ちていませんので、痙縮のおかげとも言えるそうです。ただ、ふくらはぎはだいぶおちました。
今、体に負担をかけて新しいことをすることに不安を持っているポンタさん。

【2023.5.14】リハビリテーション病院を退院して2年の日

【2023.6.29】ブログより
ポンタは退院して間もなく、「汗は書かないから足は臭くならないよ。その代わり体温小説が難しくなるけどね。」と言われていましたが、しっかり全身に汗をかきます。朝は背中やお尻、足とベタベタになっています。なのでもちろん足にも・・・つまり、臭う季節がやってきました。ただ、体温調節ができるので良かったです。

と、有りましたので、症状が改善したのでしょうか?とメッセージを送りました。そのお返事です。

汗ですが、学校へ行くようになって部活をした帰りに靴を脱いだら臭ったので、それで気が付きました大体退院してから1ヶ月くらいだったと思います。気候も熱くなってきて、その頃から寝汗もすごかったと思います。

足の動きについては正直あまり改善されていないです。左足の方は自分の意志で上下左右に動かせますが、右は全く言う事を聞かないので、一人で立つまでには至っていませんでした。

 

【2023.10.11のブログより】

2020年10月11日に脊髄梗塞で倒れて216日間の長い入院を経て家に帰ってきたポンタでありますが…

あれから3年が経ちました。今日から4年目投入です。
脊髄梗塞になったポンタが退院してから現在まで、できるようになったことや、できないことなどを備忘録として残したいと思いますおねがい

※自己道尿→物の準備さえしてあれば、自分でできる。
終わった後のカテーテルを洗えて消毒液につけたり、入れ物のバックに全部しまえることができるようになった。

※ナイトバルーン→物の準備と少しのお手伝いがあれば自分でできる。

車の移乗→①補助椅子をつけたポンタ専用の車なら一人でできる。
②ワゴン車はパパのお手伝いがあれば乗れる。←ほぼパパの力ですが☝️①②変わらず
②は、退院ギリギリまでワゴン車に自分で乗る練習をしていましたが、退院後は慌ただしい高校生活がはじまり、時間がなく、自分で乗る練習をするのがむずかしい事から、パパのお手伝いで乗ることに変更しました☝️

お風呂→イレクターを設置して一人で移乗して座れる。変わらす
シャワーや体を洗うタオルをポンタが使えるように改造してくれたものを使うと一人でできる。
持ちやすいボディソープやシャンプーのボトルだと一人で出して洗える。

トイレ(排便時)→イレクターを設置して一人で移乗して便座に座れる。
ズボンと下着を下げるのは介助が必要。これもそのうち出来そうな気がする☝️


余裕のある時は、ズボンと下着を自分で下げることができる

下矢印

最近ですが、緊急事態(誰もチャイムに気が付かない時や、家に誰もいない時)でも、1人でトイレに座れたことがありました‍♀️
拭くことはできないので、私やパパが来るのを待つしかなく可哀想な思いをさせてしまいました…

食事→自助具のカフを使って一人で食べれる。
コップは取手がついててもついていなくても両手で挟んで器用に飲み物が飲める。

その他に、お寿司やハンバーガー、サンドイッチなど手で食べるものは、自助具を使わなくても両手を器用に使って挟んで食べれるようになった。魚べいがお気に入りです

字を書く→自助具と手首のサポーターを使って字を書くことや消しゴムで消せることができる。変わらず

歯を磨く→自助具を使って、歯磨きができる。

歯ブラシは色々試した結果、360℃毛のあるものがやりやすいことがわかった。
去年の冬に、初めて車いすで行ける歯医者さんを見つけた。
定期的に診てもらうことになった。

着替え→上の服は、複雑なものでなければ1人で着たり脱いだりできる。整えるのに介助は必要。下の服や下着、靴下は全介助。

上の服は、伸びるトレーナーや大きめのTシャツは自分で脱着可能。
たまに車椅子の背の部分と一体化して身動きがとれなくなり笑わせてくれる☝️

下は、変わらず全介助
ズボンと下着はトイレでは下げれるけど、全部脱ぐことはできない。
そのうちできそうな気がする☺️☝️

髭をそる→自助具を使って電気シェーバーでできる。変わらず

【高校ご卒業おめでとうございます】

発症後1年留年し、辛い事大変な事を沢山乗り越えて、立派に卒業されました。一緒に毎日の送り迎えやお世話をされてこられたお母様には頭が下がります。

<2024.3.1のブログより>
卒業証書授与はポンタのクラスだけ、車椅子のポンタの為に、校長先生がステージから下に降りてきて行われました✨無事にクラスメイト全員分の証書を落とさずに受け取れて良かったです✨
部活でもセレモニーをしてくれました✨

ピンクの花束を持った去年の代のママさんが子供達を連れて来てくれました。ポンタにはオレンジの花束を花束

ポンタと一緒に入学した仲間たちが数名来てくれました。先に卒業したけど、
ポンタが卒業して初めて全員で卒業したことになるんだと言ってくれました✨
ポンタの嬉しそうな顔がたまりませんでした✨

2024.3.18【大学生活の打ち合わせ内容】

⚫︎必須科目を教えていただき、その教室の移動と机の種類や机のセットをどうするか?

移動の難しい教室の授業は、オンデマンド授業(オンライン)で行う方法もあるとのことでした。教室によっては、段差のある場所があり1人では入れない教室もあったので☝️教室や授業内容によって、オンデマンドと使い分けてもいいのではというお話しでした。(配慮申請必要☝️)
机は、数種類の大学にある可動式昇降机が使えそうなので問題ありませんでした☺️

が、ポンタが教室に入る時の段差の補助と机のセットとストッパーをしてもらう為のお手伝いの方が必要なので、学生サポートを利用できたらお願いしたいという話になりました。

⚫︎お昼や、授業の空き時間をどうするか?
支援室の空いてあるお部屋をお借りすることに。

⚫︎テスト等の障害者配慮は?
配慮申請書を出す。

⚫︎トイレはどうするか?
導尿の道具は、支援室トイレに置かせて貰って、基本そこでする。 朝→昼→夕方
(学校に来たら私がセットをして、あとはポンタが洗浄をする☝️)
緊急時は、各教室近くの多目的トイレへ行くことに☺️
多目的トイレなので、皆さんも普通に使うらしいです…)なので、拠点は支援室に☝️

⚫︎1日の教材などの荷物をどうするか?
支援室のどこかにお弁当と一緒に置かせて貰って、午前と午後で荷物を置かせてもらうことに。
詳細は検討中です☺️

⚫︎送迎は?
基本私で車で送迎

⚫︎電動アシスト車椅子の保管場所
鍵付きのスペースを準備してくれました☺️

⚫︎災害時の対応は?
高校と違って特別な避難訓練は考えていないとのことで、自分で声をあげて近くの人にお手伝いをお願いする。あとは、自分で逃げれるように構内を詳しく知って確認をすることになりました。
1番火事が怖いです。何事も起こりませんように

⚫︎学部の宿泊のあるオリエンテーションの参加は?
参加できる時間のみの参加も可能ということでしたので、宿泊は難しいので送迎をして参加させていただくことにしました。
オリエンテーションは、皆さんと交流を深めるチャンスなのでぜひ参加したいです☺️☝️

⚫︎入学式の送迎について
入学式は、大きな一般の施設で行われる為、駐車場などを確認してもらうことになりました☺️

新着情報・お知らせ

2024/4/4
2024 全国桜リレー
2023/6/14
第一回 ZOOMおしゃべり会
2022/10.12
初めての車椅子旅行記更新
2022/6.5
長下肢装具を使って歩く動画

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