【2025.9.23 しんおうさんから頂いたメールです】
脳神経だけではなく総合医としてほぼ全ての領域を診ております。
私も雷が落ちた如く突然でした。診療開始して10分も経たない時に凄まじい痛みが右上肢に走り、と同時に右腕全体に経験した事がない重だるしさとしびれが出現しました。
専門領域の症状だったので「やばい」と直ぐに分かりました。数分後には左上肢にも同様の症状が出て、両下肢にも進行。そのような状態で外来患者をどうにか診終えたのは3時間後。紹介状や救急車の手配など全て自分でしました。
話が長くなってしまいますので、この後の話はポイントだけです。
右上肢はほぼ完全麻痺、左も高度麻痺、両足も中程度の麻痺となりました。膀胱直腸障害などご存知のように全てまた然りです。
入院した夜から夜通し泣き通しました。患者さんのこと、家族のこと、職員のことなど。
自分が患者になって最初に決意したことは、今まで自分が患者に言ってきた決して諦めないことでした。
リハビリの指示が無かった超急性期から、1日23時間は自主リハビリを開始しました。なぜか、ぐっすり寝たと思っても10分から15分で目が覚めてしまい、そのサイクルが1日6回、毎日続きました。普通の水が皮膚に触れるだけで氷のナイフで裂かれたように痛く感じたので、湯船に浅くお湯をためて温めながら諦めずにリハビリしました。
無謀にも短期間での仕事復帰を目標に掲げ、3ヶ月間はかかる、場合によっては死の危険性もと主治医に妻は説明されていましたが、16日間で退院し、その翌日から仕事復帰して現在に至ってます。
本当に少ない疾患で、悩まれている方も多いと思います。
何かお力になれればと思い連絡しました。
21年前に開業されたクリニックの院長でお忙しい方ですが、ご家族との時間も大事にされて良くご旅行に行かれているようです。私がZOOMでお聞きした内容をつけたしておきます。
発症後の早々の治療をすべきと分かりながら、気丈にも診ておられた患者さんの診察をされたことに敬意を表します。
救急車に乗る前にバイアスピリン(血液サラサラの薬で多くのお仲間も服用している薬です)を3錠飲まれたそうです。
入院された病院のリハビリ開始は4日後からでしたが、自分の考えで翌日から個室のバスタブにお湯を張り、もんだりほぐしたり、動け動けと念を入れ、必死でリハビリをし、疲れたらベッドに戻り身体を休めるの繰り返しを何度も何度もなさったようです。
ほぼすべての患者が何が起きているのか分からず、医師の言うことを信じ、指示に従いリハビリをします。ご自身が脳神経外科という脊髄梗塞の患者を診る医師であったことが、何をすべきかの正解だと分かっておられたことは広く発症して間もない人達に伝えていくべきことだと思います。
また点滴によるステロイド治療も3日で終わるところを、ご自身で5日に伸ばして欲しいと進言されたと聞きました。私は9日間点滴をし、飲み薬に変わったことを思うと、目に見えて回復が早かったからなのかもしれません。
早期リハビリの必要性だけでなく、起きている時はすべての時間リハビリに費やされ、念を入れ神経回路の回復を自発的にされていたことは、もっと早くに関わった医師達が、その必要性を伝えてくれていたらと、思わざるを得ません。
私が年間1500人位の方が発症されているという計算ですが、というと「そんなにはいないと思いますよ。」というお応えでした。
とても親しみやすい、お話の上手な先生ですので、来年にはZOOMでお話が聞けたらと思っています。
真央クリニックのホームページ https://www.shin-ou.jp