長下肢装具について

一人では生きられなくなったと感じた時

4月13日120日目(74日目):飲む量が少なかったせいか昨夜就寝前の導尿が50だったこともあって、0時に目が覚めた時心配になって導尿するとやっぱり100と少なかった。
できるだけトイレへと思うものの朝も早いと、どうしても身体が硬く動きたくない。

夜中3時半位まで眠れず4時過ぎ入院した夫にメールをした。
私は自分が一人では生きられなくなったことを、今身に染みて感じている。そのことのふがいなさが、たまらなくなってつい涙が出た。今更だ。夫が居なくなったら…と不吉な事を考えたのは不安の表れだろう。

私は再婚だが、今までいつでも一人になっても生きられるだけの力をつけてきた。
それは単なる強くなることとは違って、生きる能力をいつでも使えるようにしておくということだ。女が男のひごの元でないと生きられないのはみじめだと今も思う。

けれど、誰かが心のそばにいてくれることの力は思う以上のものではないだろうか

午後のリハビリでPTさんが装備の準備をしている時、強い便意を感じトイレに連れて行ってもらった。しっかり便意があり自力で排便ができるようになったのではないかと、バカみたいなことだけど感激した。

歩く訓練も前の大学病院でやっていた時は、自分で歩いている感じがしなかったが、今はかなりしっかり自分の足で歩いている実感がある。長下肢装具は片足だけで30万両足だと60万だと言うが、保険で買えるらしい。動かない方の右足だけ欲しいと思った。

つづじの頃

夫の退院が早くなって今日になったらしい。2週間後に組織検査の結果が分かると言うが、「非アルコール性脂肪性肝炎」とのこと。肝硬変の一歩手前なのだから気を付けてもらって、早期治療をして欲しい。

PTさんが5月に入ったら自主トレの内容を重点的にやりますと言っていた。いよいよ退院まで1ヶ月を切った。自主トレで足の力ももっと付いて、自分の足で自分を支えられるようになりたい。

昨日別室から移動してきたKさん91歳のおばあさんと話をした。2年半前にも圧迫骨折をしたことがあるという。妹さんと近所のお友達と群馬の温泉に行って、体操を教えているという30代の男性に5000円払って、以前から痛かった腰を良くしたくて特別レッスンを受けたのだそうだ。

座布団を二つ折りにし背中に挟んで背伸びをしたらしい。その結果また圧迫骨折をし、日赤に3週間入院し、ここへ来たとのこと。すぐに人を信用する悪い癖でと話す。
おばあさんの話し方がおかしくて、久しぶりに涙を流して笑ってしまった。

窓の外では向かいのマンションの植え込みのつつじが綺麗に咲きそろっている。
季節はどんどん移って行く。うちの周りの景色もずいぶん変わったことだろう。

ここ2、3日身体の中でゾワゾワと震える感覚があり、尿や便が出るという状態になり、間に合えばいいが、間に合わない時にはパッドが小さいとズボン迄漏れてしまう。
身体は少しずつ変化している。今のままではきっとないはず、分かるようになったことを喜ぶことにしよう。

退院まで一ヶ月

電動車椅子の練習の為にメーカーの人と福祉用具の人が来てくれた。PTさんと合わせて総勢5人での散歩。病院を出て大通りの一つ手前の通りを行く。コンビニの所で折り返し、来た道を帰る。退院したら一人で動かなければならないが、操縦は簡単だった。

2台借りていたうちの1台を引き取って行った。退院するまでこれからずっと使う方に慣れていこうと思う。レンタルするのは電動車椅子、室内用車椅子、フロアーベットになるが、合わせて5000円程だという。月々10倍のお金がかかる訳で、ありがたい話だ。老後、娘のいるアメリカへ移住する話さえ出ていたのに、もう日本の医療が私には不可欠になってしまった。

久しぶりにN君が担当してくれたので、最初の頃話に出たオーダーメイドの長下肢装具について話をしたが、装具だけでは歩けないからね…と言っていたら、同じ脊髄の病気で手術ができたというTさんが両足の長下肢装具を作るみたいで、業者が2人測定に来ていた。介護保険で6万になるのはありがたいが、それだけで歩けるように使いこなすには、PTさんが居ないと難しい。私は無駄な気がして止めることにした。

70歳くらいだろうか?胸にコルセットをしていたので、見た目は私より大変そうだけれど、手術ができたと言うなら、自力で歩けるようになる人なのかもしれない。色んな病気の人が居るから、一人一人置かれている状況が違って、それぞれ必死なのだと思う。

入院も長くなると日付の間隔が鈍くなり、4月なのに3月と書いていたり、何を思ったか8月と書いていたり、しっかりしなきゃ!
お風呂があるので曜日の感覚は何とか保っていられるようだ。

お風呂で昨日長下肢装具を作っていたTさんと一緒になった。私と違う所はバーを掴めば立てる事。残念ながらバルーンを付けているので、バスタブには入れないという。
手術したのは背中だと言うので、脊髄でも私より少し上の方なのかもしれない。

今まで温度を感じなかったひざ下に、少しだけお湯が心地よかった。少しずつ感覚が下に降りてきている気がする。

リハビリで歩行器を使ってフロアーを一周したせいで、かなり疲れた。つかまり立ちの練習では横座りからはできないが、四つ這いからできた。畳の部屋で30センチほどの椅子から、降りる練習をした。手の力だけで身体を支えるので、腕を鍛えなければ。

3歩進んで2歩下がる

外出自粛の要請に応えている国民に一律10万円の給付金が出るという。
私が病気になって外に出れないのは仕方がないが、コロナとのタイミングを考えると、私だけが出れない訳ではないようになっているのが不思議に感じられた。

雨の一日。リハビリ室から見る白と薄紅色の花に雨が落ちる光景は、なんとも風情がある。リハビリをしながら25歳の男の子と風情についての話をした。
外のツツジも咲きそろって、綺麗になった。一雨ごとに春が本格的になっていく。

事務の人が来て、夫が手すり工事に立ち会えて準備ができたら退院日を決めましょうと言う。考えるとあっという間に4月が終わって、ゴールデンウィークが来る。コロナのニュースばかりで、感染者の人数や死者数の推移で日を追っているからかもしれない。

せっかく排尿コントロールは、夜の漏れ以外は旨く行っていると思っていたのに、昼食中にゾワゾワ感が強くなって、ジンワリ熱く感じると思ったら、漏らしていた。
防水シーツを変えてもらおうと、ナースコールを押す。新しいパンツとパッドを履き替えていたらシーツにも漏らしてしまった。

もう一人来てもらって、椅子に座ってズボンを履かせてもらいトイレに行くが残尿もかなり沢山出た。確かに夫の持ってきてくれたコーヒーは沢山飲んだが、2時間おきにトイレで出しているのに、失禁してしまったのはとてもショックだ。出かけた先でこんなことになったら、目も当てられない。何とかしなければと焦る。

ここ2、3日ゾワゾワ感が強く、いつも尿意があり、冷え冷えとした感じが続いている。調べてみると「神経因性膀胱」そのもの。脊髄やそこにつながる末梢神経に異常をきたしているとのこと。膀胱の緊張を取る為に抗コリン薬などの内服薬が使用されますとあるので、聞いてみようと思う。

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