ベッドから車椅子へ

新年の期待と不安

年が明けた1時40分サンディエゴの友人からラインスタンプの年賀状が届いた。アメリカはまだ大晦日のはずなのに、心遣いが嬉しい。ただ病気のことは知らせず、夫婦共に友人なので二人の健康と楽しい日々を願うメッセージを返信した。

6時40分東の空が薄いオレンジ色に染まっている。
ここ病室からの初日の出は7時30分だった。朝食はなんと「おせち」
鶏肉の野菜巻きに紅白のかまぼこ、だし巻き、昆布巻き、大福豆が陶器のお皿で出てきて、小さな感動をもらった。病院にいても幸せはやってくる。

8時半、夫に電話をすると元気がない。
「朝何か食べた?」「まだ」「大丈夫?」「大丈夫じゃない」どうしてしまったのか。
娘が来るまでもつのか気になる。病は気からともいうから、皆に応援してもらおう。

彼に電話をしてもらうように、娘や弟たちに頼んだ。
なんだか急に不安になって、彼がウツにでもなるんじゃないかと心配した。

夜メールが来て箸入れが見つからないという、もう入院の準備でもしているのだろうか。どこどこにあるよと返信をすると、見つかって「あなたが居ないと何も分からないね」というので「男はそんなもの、分からないのが普通」となぐさめたつもりが「ですから」と来た。「早く帰れるように頑張ります」と書くと「お願いします」だって。
少し元気になってる?頑張らなきゃ!

一年の幕開けとしては少々不安だ。この新しい年がどんな年になるのか想像できないが、この病気はこれ以上悪くなることはないというから、転院したら他の検査をして、焦ることなく治療とリハビリに専念するしかない。そして早く家に帰りたい。

人生はなるようになる

新年2日目も、ここ飯田市では花火を打ち上げるらしい。6時に窓の端から見えた。
周りの山々は幻想的な霧につつまれ美しい。

夜中ニューヨークの従妹から新年のあいさつが届いた。私の状況はあまり多くの知人に知らせるのをはばかられるが、妹のような存在でもあるので、知らせることにした。
後になって分かったら水臭い気がしたからだ。

読む本がなくなったのでメルカリで3冊購入した。売上金が少なくなってきたので、とうとうメルペイに登録することに。時代の流れには逆らえない。それにしても、病院に居ながらにして、ネットの世界で何でもできてしまうのは、良い時代になったものだ。

リハビリの成果が出てきているのが、自分にもPTさんにも分かるようになってきた。今の目標は自分で車椅子に移れる事、ここにいるうちにできるようになれば嬉しいが。

娘がチケットの都合で1日早く5日に到着することになった。彼の為にとても助かる。娘もそろそろ親の介護が身に迫ってくる年齢になったという事だろう。父が肝がんの末期で入院した時、私は48歳だった。私にはまだまだ寿命がありそうだ。

孫達には申し訳ないが、娘がフリーランスで都合もつくというので甘えることにした。
孫たちは私と夫にカードを作ってくれているという。婿の妹は私の話を聞いて、泣いてしまったと聞く。みんなが私を心配してくれる。家族のありがたみをしみじみ感じる。

入院が長くなると寝返りは打てても、長時間身体の同じ部分がベッドに接しているせいで、床ずれができるという。床ずれがどんなものか分からないが、夜中あまり痛いので湿布を張ってもらった。なるべくベッドでも座っていた方が良いのかもしれない。

このところ、ずっと鼻の中が乾燥していて、触ってしまうので鼻血が出てしまう。肌も荒れてしまった。石鹸で顔を洗えるのはいつになるだろうと思っていたら、今日はお風呂がなかったので、洗面所で顔を洗わせてもらった。久しぶりでとてもスッキリした。

身体も拭いて、着替えさせてもらった。オムツも何度も見てくれるし、看護師さんたちにはほんとに頭が下がる。みんな明るく優しい人たちで嬉しい。

夫に電話すると、めまいがして出歩けないという。男一人では何を作る気力もないだろうし、自分が動けないのがもどかしい。銀行の引き落とし口座は私が管理していたので心配しているようだが、娘が来たら色々やってもらうから、心配しないように伝える。私の転院の時には行けないかもしれないというので、それも気をもまないよう伝える。

弟に転院の時はお願い!とメールをすると折り返しの電話をくれた。明日の結果次第で打ち合わせに行こうと思っていると言ってくれたが、打ち合わせだけなら電話で済む、それより転院の前日に来てもらった方が良いと伝える。夫にも電話を入れてくれたようで、頼もしく感じる。

せっかく始めた一人ビジネス。タイミング的には母の介護のこともあり、5年後位の為にぼちぼち試しながら細々とやっていくつもりだった。
色んな学びもあったし、自分的には大きなビジネスにならなくても満足できていたが、夏まで入院し、自宅へ帰れたとしても、イベントも相談も受けることはできない。
また更新もしなければ、ホームページはそこにあるだけになる。

娘が来たら、書き溜めた文章はいつかまた役に立つときも来るので、印刷してもらい、ホームページの閉鎖をしようと思う。バーチャルオフィスにも問い合わせると、払ったばかりの契約金は戻らないという。仕方ない。

こんな形で人生はなるようになっていくのだろう。残念だけど、また別の事を探そう。
そして自分の存在意義を感じながら生きていく。きっとまた楽しい事が見つかるはず。父が言っていたように、私は運がいいから大丈夫。笑

新着情報・お知らせ

2024/4/4
2024 全国桜リレー
2023/6/14
第一回 ZOOMおしゃべり会
2022/10.12
初めての車椅子旅行記更新
2022/6.5
長下肢装具を使って歩く動画

お気軽にお問合せください

フォームは24時間受付中です。お気軽にご連絡ください。

幸せな人生の歩き方